社労士サトウオフィスブログ

労務管理や年金などに関する記事が中心ですが、プライベートな記述もあります

就職氷河期世代を対象とする特例期限の延長

就職氷河期世代を対象とした特例期限が2025年(令和7年)3月末まで延長されることになりました。

この特例期限というのは、就職氷河期に就職の機会に恵まれなかった人、それによってさまざまな問題・不安を抱えるようになった人に限定した募集や採用につき、自社サイトでの直接募集や求人広告が特例的に認められている期間のことです。
雇用対策法により、労働者を募集・採用する際、年齢制限を行うことは原則禁止されていますので、その意味で「特例」なのですね。

私のこれまでの理解では、就職氷河期世代は主に「団塊ジュニア」「ポスト団塊ジュニア」によって構成される世代と考えていたのですが(大まかに言って間違いではないと思いますが)、この特例期間に関して対象とされる「就職氷河期世代」は以下の通りです2023年3月まで:35歳以上55歳未満
2023年4月以降:1968年(昭和43年)4月2日~1988年(昭和63年)4月1日生まれの人

厚生労働省ではこの世代の人々への支援を充実させるため様々な手立てを講じており、そのサイトに「就職氷河期世代の方々への支援のご案内」というページを設けています。
このページには動画も掲載されており、タレントの壇蜜さんが、やわらかい独特の口調で支援策のいくつか(1)を紹介しています。
氷河期世代の人々はもちろん、その人々を雇いたいと考えている事業主さんたちにとっても役に立つ情報に接することができると思います。

就職氷河期世代の方々への支援のご案内|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

(1) 就職氷河期世代専門窓口をハローワークに設置
  サポステ(サポートステーション)における就業体験やビジネスマナー講座等の支援
  引きこもりの人々の社会参加を支援する諸機関の紹介 など

時間外労働の割増賃金率にかかわる変更(2)

今回は、中小企業に4月1日から適用される時間外労働に対する割増賃金率の引き上げに関して、「代替休暇制度」をご紹介したいと思います。なるべく簡略に記述するつもりです。

代替休暇制度とは何か

法的根拠を簡単に紹介しておきます。

労働基準法では代替休暇は「割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇」(労働基準法37条3項)と述べられています。

この「当該割増賃金」というのは、1か月の時間外労働のうち60時間を超える部分に支払われる割増賃金です。

つまり有給休暇を付与した場合であっても、25%以上の割増率による割増賃金((2)に対して支払われる割増賃金)の支払いは必要になるということです。

 

制度導入に必要とされること

労働者の過半数で組織する労働組合、または労働者の過半数代表者と労使協定を締結しなくてはなりません。

 

代替休暇の単位・与えるべき期間

代替休暇は1日単位、半日単位、1日または半日単位、のいずれかによって与えることとされています。ある程度まとまった単位で付与することにより、労働者の休息の機会を確保しようとする考え方に基づいています。

ここでいう半日は、例えば1日の所定労働時間が8時間の場合、きっかり4時間+4時間で考えなくてはならないということではありません。お昼休みまで3時間半、お昼休みの後4時間半の仕事の時間があるとすれば、それぞれを半日とみなすことができます。

また、与えるべき期間として厚生労働省リーフレットでは「法定時間外労働が1か月60時間を超えた月の末日の翌日から2か月以内の期間」で与えるよう求めています。労働者の休息の機会を先延ばしにしないように、ということでしょう。

 

代替休暇の時間数の計算方法

代替休暇の時間数=(1か月の法定外労働時間数―60時間)×換算率

「換算率」の求め方は次の通りです

【60時間超の時間外労働の割増率(50%以上)】から【通常の時間外労働の割増率(25%以上)】を差し引いた差です

では、例えば、代替休暇の時間数が10時間となった場合、1日(8時間)の代替休暇を与える点では何ら問題はないのですが、余りの2時間はどう処理すべきでしょうか。

この場合、会社独自の有給休暇、あるいは時間単位の年次有給休暇と組み合わせて1日または半日の単位として与えることができます。(労使協定が必要)

時間外労働の割増賃金率にかかわる変更

2023年4月1日に、中小企業における時間外労働(1)の割増賃金率が引き上げられます。

これまでも大企業には60時間以下の時間外労働に対して25%、60時間超の場合は50%の割増率が適用されてきました。

それに対し中小企業では60時間以下、60時間超に関わらず割増率は25%でしたが、4月1日以降は大企業と同じルールが適用されることになります。

それにより中小企業の割増賃金率は以下のようになります。

(1) この時間外労働は1日につき8時間を超える労働です。例えば、所定労働時間が7時間の会社では、1時 間の残業をしたとしてもここでいう「時間外労働」には当たりません。
(2) 深夜とは午後10時~午前5時の時間帯です。
(3) 法定休日労働というのは、法律上求められる週一日の休日です。月60時間の算定に当たっては法定休日労働時間は含めません。それ以外の休日における労働時間は算定に含めます。

これからもよろしく

今後この「はてなブログ」をメインに記事を投稿しようと考えています。

これまで別のブログも使っていたのですが、事情があってこちらに移動しようということです。

ほとんど更新もなく打っちゃる形になっていたこのブログですが、せいぜい活用していきたいと思います。(そう頻繁にというわけでもないのですが)

労働保険・社会保険労務管理・年金といった内容が中心になりますが、プライベートなことも徒然なるままに、という感じで書いていくつもりです。

 

よろしくお願いします。

障害者雇用促進法~実務上の5つのポイント

障害者雇用率をごまかすための不正が、省庁のみならず地方自治体にも蔓延している事実が次第に明らかになってきました。言いたいことは山ほどあるけれど文句ばかり言っていても仕方がない。この機に法律の実務上のポイントを押さえ、他山の石とすることにしましょう。


① 毎年6月1日現在の障害者の雇用状況を管轄ハローワークを通して厚生労働大臣に報告しなくてはなりません


② 法定雇用率
民間では2.2%、つまり45.5人以上の従業員を持つ企業は障害者を一人以上雇用する義務が生じます。
平成30年4月1日に0.2ポイント引き上げられました。さらにこの先3年以内に0.1ポイント引き上げられることになっています。


③ 雇用率に算入できる対象障害者
障害者手帳の所持者、指定医らの診断書により障害が認められた者


④納付金
法定雇用率に達していない障害者の数×5万円(月額)
常時雇用している労働者数が100人を超える場合、事業主が納付すべき金額


⑤調整金・報奨金
前者は法定雇用率を超えて障害者を雇用している事業主に支給されるもの、後者は企業の常用労働者数が100人以下の事業主に支給されるものです
調整金=超過人数×2万7千円(月額)
報奨金=超過人数×2万1千円(月額)

特定個人情報等の適正な取り扱いに関する基本方針(サトウオフィス)

社会保険労務士サトウオフィスは、社会保険労務士として行う業務を通じて取扱う顧問先の皆様の特定個人情報等及び当事務所の従業員等の特定個人情報等の厳格な保護を重大な社会的責任と認識し、特定個人情報の適正な取扱いの確保について当事務所として取り組む本基本方針を定めます。

1 特定個人情報等の取扱いの範囲、体制について

当事務所は、個人番号を取り扱う事務の範囲及び特定個人情報等(事務において使用する個人番号及び個人番号と関連付けて管理する個人情報、氏名、生年月日等)の範囲を特定し、事務取扱担当者を明確にいたします。また、特定個人情報取扱規程を策定し、特定個人情報を取り扱う体制の整備を行います。

2 安全管理措置について

当事務所は、特定個人情報の安全管理措置に関して、特定個人情報の漏洩、滅失又は毀損の防止その他の特定個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じます。特定個人情報等の取扱いに際し、第三者へ業務を委託する場合は、事前に顧問先の許諾を得て、十分な管理体制を有する委託先を選定し、必要かつ適切な指導・監督を行うものとします。

3 関係法令・ガイドライン等の遵守について

当事務所は、個人情報及び特定個人情報に関する法令、国が定める指針、特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)、社労士版のためのマイナンバーハンドブック及びその他の規範を遵守し、特定個人情報等の適正な取扱いを行います。

4 特定個人情報等に関する問合せ窓口

本人からの特定個人情報の取扱いに関する苦情、問合せについては、適切かつ迅速に対応いたしますので、所長あてにご連絡ください。
本方針は、全従業者に周知、徹底するとともに、当事務所外に対しても公表いたします。
また、従業者の教育、啓発に努め、特定個人情報保護意識の維持向上を図ります。

 

社会保険労務士サトウオフィス

代表 佐藤 利宏